日本で栽培されている醸造用ブドウの多くが, ウイルス病に感染していることが近年報告され, これらの対策が急務になっている。著者は長年の地道な研究により, 熱処理法, 生長点組織培養法によるウイルスのフリー化に成功した。これらの結果は学問的興味のみならず, 農業政策上, ブドウ糖分の増加, 収穫の増大, ひいてはワインの品質の向上につながる重要な問題の解決を示したもので貴重である。