1. 市販酵素剤こうじ代用11種, 四段用10種, 両用2種の合計23種を用いて蒸米糖化試験を行い, 糖化液の液量, ボーメ, 直糖, 酸度, アミノ酸度, 粗蛋白を分析した。それらの分析値から個々の酵素剤の特徴及びこうじ代用と四段用の特徴を解析した結果, 直接還元糖と粗蛋白生成量に酵素剤の差異がみられ, またこうじ代用と四段用全体の比較では後者は糖分生成型であるのに対しこうじ代用はアミノ酸, 粗蛋白も生成する傾向にあった。 2. 上記酵素剤を用いて清酒もろみの四段仕込試験を行い, 上槽直後の液量, 一般成分, グルコース量, 吸光度, 残存酵素活性と上槽後10日目, 20日目のグルコース量について分析を行い, 製成酒の官能検査を行った。この結果, 一般成分, 官能評点については各酵素剤間及びこうじ代用全体と四段用全体との間に大きな差異はみられなかったが, 上槽後の直接還元糖, グルコースの増加量及びグルコース/直接還元糖の比率に酵素剤による特徴がみられた。