一酵母溶解菌 (YLM-1) の安全性について調べた。 YLM-1は50℃10分間の加熱処理により, 大部分死滅し, 基質に用いた酵母と同程度の耐熱性を示した。 YLM-1を紫外線照射した場合は酵母よりはるかに早く死滅したが, 通常の細菌と比べるとやや耐性があるものと考えられた。 しかし, 蛍光灯による長時間 (3日間) の照射でも蒸留水又は生理食塩水中にYLM-1を懸濁した場合, YLM-1の大部分が死滅し, 暗所に保存すれば, 蒸留水に懸濁していた方が生存率が高くなった。 紫外線及び蛍光灯の照射に対してYLM-1による酵母の溶菌液は保護作用を示した。 YLM-1は試験した全ての抗生物質こ対し感受性があり, 100ppmのSO2, 1,000ppmの5-ブロモウラシル, 1,000ppmのクロロホルムに対して耐性があった 。また, 1,000ppmの窒化ナトリウムでは酵母の溶菌は認められなかったが, YLM-1は2日間完全に生存していた 。 終りに, 本研究の全般について御指導いただいた東京大学農学部田村学造教授及び終始御鞭撻いただいた当所佐藤信所長に深謝いたします。 なお, 当研究の一部は環境庁国立機関公害防止等試験研究費によって行われた。