アデニン要求性酵母で桃色に着色した清酒を醸造するにあたり, 野生酵母の侵入を防ぐためにアデニン要求性 (赤色) のキラー酵母を育種した。 1. 細胞質導入法により赤色キラー酵母を造成した。 2. 本キラー酵母はK1タイプであり, 各種醸造酵母に対してキラー活性を発現した。 3. 本キラー酵母は親株 (赤色酵母) に比べてアデニンの要求量が幾分多いが発酵能は親株より大きかった 。4. もろみに侵入する外来の清酒酵母が少くとも本キラー酵母の1/100以下ならほぼ完全に排除された。 終りに, キラー酵母の育種について貴重なご意見をいただいた札幌国税局鑑定官室長・大内弘造博士に深謝いたします。