醸造物の原料は植物である。栽培植物の起源は古いが, 交配による従来からの育種法によって, 長い間にわたって植物栽培法は大きく進歩してきた。ところで, 最近の分子生物学, 分子遺伝学の進歩は, 未来産業としてのバイオテクノロジーの中心に, 遺伝子工学を応用した植物の分予育種をすえている。植物の種子を制するものは世界を制するとまで言われている今日此頃である。 植物育種の新しい方向をめぐって, 植物癌とTiプラスミドの研究がいかにこの分野に寄与しているのか解説していただいた。