1. 麹の状貌が清酒の香気にどのように影響を及ぼすかを検討するため, 突破精麹と総破精麹を用いて仕込みを行い比較した。仕込みの規模は総米3kgの小仕込みと工場レベルでの750kgおよび1,500kgの仕込みである。 2. 各々製成した清酒の香気成分をガスクロマトグラフィーで分析したところ, いずれも突破精麹を用いた清酒の方が, 総破精麹を用いたものよりも香気の成分量が多く, 官能評価による香気も高い結果が得られた。 終りにあたり本研究にご協力いただいた (株) 糀屋三左衛門の伊藤欣也氏並びに井出光彦氏に深謝するとともにご指導とこ校閲賜った吉沢淑博士 (国税庁醸造試験所) に深く御礼申し上げます。