米麹を全く用いない高精白米の酵素剤仕込で, 高濃度アルコール生成に及ぼすビタミンの影響を検討した。 尿素, ミネラル, ビタミンB群を加えたもろみと, ビタミンを単独に加えないもの, 及び全ビタミン類を加えないもろみで比較した。最大アルコール生成量には顕著な差はみられず, 清酒酵母のATCC 32700とアルコール酵母のRasse 2はビタミン類を加えなくても20%以上のアルコールを生成した。しかし, B1必須要求株の泡盛1号は, B1を加えないとアルコールの生成量が極端に低下した。もろみの初期から中期では, アルコール生成速度にビタミンの影響が認められ五菌株も存在したことから, 酵母の増殖には酵素剤仕込でも白米から溶出するビタミン量でたりるが, 生理的な面から不足を来す菌株も存在するものと推察した。