泡盛の異常発酵の主要因は種醪であることを究明し, その化学成分はアルコール分が5%前後で, 糖分が多く, 日本酒度の値も小さく, 香りも良好ではないことを明らかにした。そこで低沸点香気成分組成について調べたところ, 芳香性の高いisoamyl acetateは認められなかった。 また種酵には乳酸菌が混在しており, その種類はホモ型乳酸菌として Lactobacillus casei と Laotobacillus xylosus で, ヘテロ型乳酸菌として Lactobacilus brevis と Lactobacillus fermentum であることを明らかにした。そして前者が泡盛モロミの腐造をひき起しているものと考えた。