加圧蒸煮α化玄米 (あるいはα化99%精白米) を精米して得られたα化精白米を用いて製麹試験および小仕込試験をおこない, 次のような結果を得た。 1. 通常の麹を共通の麹米として用い, 掛米に加工米を用いて仕込みを行なったところ, もろみは前急気味に進み, アミノ酸度の低い淡自な酒質の清酒ができた。 2. 酵素仕込みにおいても麹仕込みと同様の結果が得られた。 3. 加工米から得られたα米および副生したα化白糠を用いて高温糖化試験を行なったところ, 対照と同等のボーメ, 直糖が得られ, アミノ酸度は低くなった。 4. 製麹水法によって加工米α米から製麹したところAPase, ACPaseの力価の高い, さばけのよい麹が得られた。 5. 加工米α米からつくった麹を用いて, 共通の掛米を使用して仕込みをおこなったところ, APase, ACPase力価を反映してアミノ酸度が高くなった。 6. 麹米, 掛米ともに加工米の米を使用したもののアミノ酸度は低く, 酵素力価とタンパク質の消化性のバランスに従っていることが示唆された。