玄米及び白米をガス透過性の低い袋に詰め, 脱酸素, 炭酸ガス, 窒素ガス及びこれらの混合ガスで袋中の気相を交換したものを30, 15℃で1年間貯蔵し, 経時的に試料を採取して成分の変化を分析すると共に, 1年貯蔵米を用いて小仕込みを行った。 30℃, 8ヶ月玄米を貯蔵したときの発芽率は気相の変化によって変った。玄米貯蔵を精白した場合, 還元糖や遊離脂肪酸は, 貯蔵期間が長くなる程増加したが, 遊離アミノ酸は減少した。無機りんの生成は増加するものとしないものがあり, クロールは内部に移動していた。陽イオンはカリのように内部に移行するものと, 移動はするがあまり明瞭でないものがあった。 小仕込み試験ではもろみが急進しやすくなり, 製成酒は精白米使用の方が窒素成分が少なかった。