清酒もろみ中の蒸米はα-アミラーゼによって溶解されるが, 黄麹菌α-アミラーゼは蒸米に吸着されやすく, 吸着されると, その活性は著しく低下することが知られている。 筆者らは, 白米の黄麹菌α-アミラーゼ吸着能を調べ, 品種によって差があるものの, いずれの白米も吸着能が極めて強く, しかも, 吸着能とα-アミラーゼによる蒸米の溶解量との間に負の相関関係のあることを前報で報告した。 そこで, 本報では白米のα-アミラーゼ吸着能に及ぼす白米成分の影響を調べるため, 精米歩合の異なる白米を用いて, α-アミラーゼ吸着能を検討した結果, 高精米歩合の白米ほどαばアミラーゼ吸着能の弱いことを認めたので報告する。