Rhizopus 属とAspergillus属の2種の米麹を併用することによる食塩4%の低食塩化味噌の改良効果について検討した。 1. Rhizopus米麹の使用割合が増加するにつれて, 蛋白質, 澱粉の分解溶出が減少し, 未分解蛋白, 残存澱粉及びデキストリンなどの中, 高分子物質の増加がみられ, Rhizopus 米麹を併用することにより, 低食塩化味噌の分解程度をコントロールできる可能性が示唆された。 2.遊離アミノ酸は, Rhizopus米麹の割合が増すとそれに対応して全体に減少する。しかしアスパラギン酸が他のアミノ酸より減少幅が大きいのに対し. シスチンのそれはかなり小さかった。 3. これらの味噌をドレッシングに用いたところ Rhizopus 米麹の使用割合の増加に応じ油の分離が少なかった。 終りに, 本報告は昭和60年度長野味噌醤油技術会の仕込試験が当所に於いて行なわれたものの一部をまとめたものであり, 御協力頂いた技術会, 長野県食品工業試場, 当所の多数の皆様に深甚なる謝意を表します。 また御校閲を賜わった (社) 中央味山曾研究所, 海老根英雄所長に感謝致します。