江戸で灘酒と肩を並べていた参州・知多酒が鬼ころしといわれる程の辛口酒であったという史実は興味深い。筆者はさらに, 辛口酒の鍵が仕込配合にあることに着目.自ら試醸を行ってその史実を実証するところまで踏みこんだ。郷土酒史としては緻密かつユニークな一文であり, 往時の申国酒をほうふつとさせる。