水産発酵食品は伝続食品のなかでも古い歴史をもち.嗜好や栄養の面で意義をもつ食品である。それだけに, 水産発酵食品は文化を伝える文化遺産的な側面をもつのだが, 製造の規模が小さいので, 研究そのものも清酒や醤油, 味噌に比して決して多いとはいえない。しかし, 森博士によってまとめられた本解説は微生物利用学の分野に興味深い貴重な領域が秘められていることを我々に伝えるものである。