酒粕を亜臨界水処理(温度290℃, 320℃;圧力22MPa)および超臨界水(温度375℃;圧力22MPa)し,得られた可溶性画分について生理機能を検討した。亜臨界,超臨界水処理により酒粕の可溶成分量が増加し,その中でも超臨界水処理で最も可溶化率が高く, 70%以上が可溶化した。処理物と未処理酒粕の可溶性画分のACE阻害活性とDPPHラジかル補足活性を比較したところ,両者とも処理温度が高くなるに従い活性が強くなった。最もラジかル補足能の強かった375℃ 処理サンプルについて酸化剤にV70を用いたLDLの抗酸化試験を行ったところ,コントロールでは実験開始約60分から酸化が開始したのに対し,サンプル添加した場合では酸化が認められなかった。