平成10~13年産の原料米8品種81点について,玄米品質,精米条件,精米後の精白米品質について分析を行い,精白米の品質と玄米品質および精米条件との関係について検討を行った。 (1)8項目(粒重分布における標準偏差,無効精米歩合,砕米発生率,完全粒歩合,胴割粒歩合,砕粒歩合,原形指数LW,原形指数WT)の分析項目を用いることにより精白米の品質および精米工程を多面的に評価することができた。また,精米工程の正確な評価には複数の指標を用い多面的に捉えることが必要であると考えられた。 (2)精白米の品質に関する項目と,玄米,精白米の一般分析値との問で相関分析を行い,その影響について考察した。このなかで,玄米整粒歩合と白米の完全粒歩合,玄米の千粒重,品温と精白米の品質,原形指数などについての知見を得た。 (3)精白米の品質に関する項目と,精米条件との間で相関分析を行った。その結果,強い単相関関係は認められなかった。これにより,いくつかの関連する項目がまとまって精米の良否に影響を与えているものと推察された。 (4)確認された単相関関係について,実地精米試験によってその妥当性を検証した。ロール回転数の低下速度がゆるやかなほど粒重のバラツキが少なくなる相関関係について確認試験を実施した結果,その妥当性が確認された。この結果,精米条件の決定については,これら単相関関係の知見を用いることが可能であると考えられた。 (5)精白米の品質を決定する各要素(精米条件,玄米品質)について因子分析を行い,精米条件,玄米の状態,玄米の品位,玄米の形態の各因子が存在することを示した。 (6)精白米の品質に対する各因子の影響度を算出した。その結果,精白米の品質を評価する項目によって各因子の影響度は異なった。また,一般米と酒造好適米によっても各因子の影響度は異なることが示唆された。