1 各種米のα-グルコシダーゼ活性は, 平均値で陸稲0.346, 一般米0.261, 酒造好適米0.225, 糯米0.211の順であった。陸稲は, 最低値でも他の米の最大値に近く特に活性が高かった。α-アミラーゼ活性は, 陸稲と糯米が高く, 酒造好適米と一般米は低かった。 2 短期貯蔵試験の結果, α-グルコシダーゼ活性は5℃区分で, 対照0日目の値に対し150日目で玄米82~85%, 白米84~96%に減少した。15℃区分 (湿度70%) では, 同様に白米62~68%, 玄米80%に減少した。30℃区分 (湿度約30%) の玄米では, 貯蔵中に活性の増加 (116~121%) が見られ, 150日目でも106~108%の活性があった。白米では, 150日目でも90%以上の活性があった。一方, α-アミラーゼ活性は, 3区分での差が少なく, 150日目の活性が対照0日目の約90%であった。貯蔵中の米水分は, 5℃ 区分で玄米14%, 白米10~12%とほぼ一定であり, 15℃ 区分の白米は約3~4%上昇し, 玄米はほとんど変化がなかった。また, 30℃ 区分の試料水分は全て150日目までに約8%に低下した。以上から, α-グルコシダーゼは, α-アミラーゼと比較して温度より米水分 (湿度) の影響を受けやすいものと推定された。 3.長期貯蔵米のα-グルコシダーゼ活性は16年~21年間貯蔵した米試料で平成15年産日本晴の35~69%であったが, α-アミラーゼ活性は6~13%と低かった。