ラオスはベトナム, タイ, 中国雲南に囲まれた日本の本州くらいの内陸国で, 生活文化の面では長く中国の影響をうけるタイ系の多民族の地域である。筆者らは長年, 東南アジア大陸部の伝統的発酵食品に注目して, 調査を続けている。今回は北部ラオスの生活と米を中心とした酒を多くの写真を使って紹介する。麹をつくる時, 米粉に草葉の煮汁を加えることは聞いていたが, 焼酎を加えるのは面白い。最近, この地区の飲酒, 流通の様子が一変して, もろみ酒 (吸管壺酒) から, すっかり, 蒸溜酒に変ってしまっているし, 蒸留法も変っている。