多種の原料から製造される焼酎を対象に, 官能特性とその寄与成分を明らかにするために, 原料ごとに嗜好の差がはっきりした比較サンプルを選択し, AEDAによりアロマグラムを作成した。 (1) 米, 麦, 黒糖焼酎で評価の高いサンプルに認められ, その評価へ寄与していると考えられる成分は, 酪酸エチル, 2-メチル酪酸エチル, バレリアン酸エチル, カプロン酸エチル, カプリル酸エチルであり, いずれもエチルエステルであった。 (2) 米, 麦, 黒糖焼酎で評価の低いサンプルには酪酸や, 未同定であるが, 焦臭, ゴム様と表現される成分が影響していた。 (3) 甘藷焼酎には原料特性を示す新規な揮発成分として, ローズオキサイド, 安息香酸メチル, ダマセノン, イソオイゲノールが見出された。