東南アジア大陸部には, 多くの民族が居住し, 多様な酒文化を持っている。各民族の酒造りの調査結果は, 酒造技術とその歴史や伝播経路を考える上で貴重な資料となる。ラオスには,オーストロアジア語族, タイ語族, ミャオ・ヤオ語族, チベット・ビルマ語族の4つの民族が住み68部族に分類される。この論文は, ラオス北部のポンサリー県に住むチベット・ビルマ語族の代表的な部族であるプ麹ノイ族の籾米を原料とした酒造りについて現地を訪れ調査した記録である。