我々は, 日本酒度計による日本酒度の測定では, これまで伝統的に行ってきた食塩水, 純水及び低濃度エタノール水溶液による校正方法に問題があり, 理論的に, 振動式密度計による場合と比較して測定値が1.0~1.6程度小さくなることを明らかにした。また, 56点の市販清酒の日本酒度の測定結果もこの結論を支持している。 したがって, 日本酒度計法から振動式密度計法へ日本酒度の測定方法を変更する場合は, 過去の日本酒度との整合性を保とうとするならば, 日本酒度計の校正に使用してきた校正液の確認を行い, それが食塩水, 純水及び希薄エタノール水溶液などの高表面張力液体である場合, 振動式密度計の測定値を補正する必要がある。