D-ガラクトサミン誘発肝障害ラットに対する大麦焼酎粕の影響について検討した。その結果, 大麦焼酎粕を摂取させたラットの血清ALT及びASTの値は, 対照群の値に比べて有意に低下した。また, 肝臓の病理組織学的検索では, D-ガラクトサミンの投与によって肝小葉中心体に強く認められる肝細胞の変性・壊死が, 大麦焼酎粕を与えた場合には軽度に認めるのみであった。次に, 大麦焼酎粕を遠心分離によって上清と沈殿画分に分け, それぞれのガラクトサミン誘発肝障害に対する影響を調べた。その結果, 上清画分を投与した群では有意な血清AST及びALTの低下が認められたのに対して, 沈殿画分を投与した群においては低下作用が認められなかった。これらの結果から, 大麦焼酎粕の上清画分にはガラクトサミン誘発肝障害を抑制する物質が存在することが明らかとなった。