1 既に新米で報告されているとおり, 長期貯蔵米においても精米時の砕米発生には玄米水分が深く関与しており, 11~13.5%の玄米水分では砕米が発生しにくく, 一方, 15%以上の高い水分では砕米が多く発生した。 2 乾燥処理して玄米水分を下げることにより長期貯蔵米精米時の砕米発生が低減できる可能性が示された。 また, その効果は1俵張り小型醸造精米機による試験で確認された。乾燥処理による同様の効果は長期貯蔵米だけでなく新米においても期待できることが示唆された。 3 長期貯蔵米の剛度は玄米水分に依存して変動し, 試料ごとにその傾向が異なっていた。この剛度と玄米水分の関係が試料ごとに大きく異なる精米時砕米率の高低と関係していると推定された。 4 玄米の乾燥処理はヘキサナールをやや増加させた。また,白米の吸水速度及び吸水率を高めた。乾燥した長期貯蔵米の白米は吸水過程でひび割れが生じ易くなるので精米後の白米水分管理,吸水管理に注意が必要である。