味噌特に発酵・熟成型の米 (麦) 辛口味噌の芳香, 香味生成には酵母の活動が不可欠であり, これらの酵母はかっては “蔵ぐせ” と呼ばれた各工場住み着きの菌株の活動に依存し, あるいは酵母の供給源として効果は薄いが種味噌の添加も行われた。しかし, 近年は培養酵母 (および乳酸菌) の添加が普及し, 全国味噌鑑評会出品で米辛口味噌の酵母添加は92%にも及んでいる。これらの添加酵母は大工場では直接培養し, 中小工場では公設試験・研究機関, 組合試験室等から培養液を購入し, あるいはこれらを種菌として工場で二次培養して使用している。いずれの場合にも培養酵母の活性低下防止のためには, その保存性を充分留意する必要があろう。ここでは, 耐塩性酵母の保存性について代謝・増殖性等を検討された著者に詳細に解説いただいた。是非参考にしていただければと思う。