実験室酵母を用いた実験で, ALD 2, ALD 3, 及び ACH 1の遺伝子破壊は, 発酵条件での酢酸生成に影響しないことが示された。また, ACS 2の高発現は酢酸生成を抑制したが, アルコール発酵も阻害した。既報のとおり, ALD 6の破壊は酢酸生成を減少させたが, ピルビン酸を高生産しており, これは還元力の不足が原因と考えられた。以上のことから, 酢酸の生成には代謝系の酵素活性の他, 酸化還元バランスの維持が強く関わっていることが推察された。