味噌から分離したバクテリオシン産生乳酸菌3株の製麹工程への応用試験を実施した。製麹時に, 蒸米に麹菌とともに Lc. lactis GM005を添加したところ, Lc. lactis GM005 は良好に増殖し, バクテリオシンを産生した。麹中の Lc. lactis GM005の増殖は, 麹菌の生育には影響しなかった。 Lc. lactis GM005添加により作製された麹は抗菌活性を有し, B. subtilis JCM1465Tの生育を阻害した。バクテリオシン産生 E. faecium MR006 と E. dumns MY411を用いた場合も, 同様に汚染菌レベルの少ない製麹が可能であった。本研究遂行にあたり, 貴重なご助言を頂いた山梨県庁工業振興課技術指導監 (現・山梨県工業技術センター) 小宮山美弘博士に御礼申し上げます。また, 味噌製造実験に技術的ご援助いただきました, 宮坂醸造 (株) 甲府工場の皆様に御礼申し上げます。