振とうや通気撹搾の条件下で高いエタノール生産性を得る目的で, 清酒酵母きょうかい7号 (K-7) から泡なし変異株NF1-を得た。この菌株を用い, 各種培地のもとで振とう培養およびファーメンター培養を行った。糖濃度30%に調整したトマト抽出液を用いて振とう培養した場合, エタノール濃度は125.3g/L, 生産性はK-7株より1.1倍高い3.0g/L・hであった。トマト果汁にエタノール発酵促進物質の存在が示唆された。NF1-株はK-7株に比ベエタノール耐性が低く, 耐塩性, 耐糖性及び温度耐性は高かった。トマトジュースによる低濃度エタノール飲料を試作した結果, 初発糖濃度10%の場合, ジャーファーメンターにより20時間で発酵が終了し, 新たなアルコール飲料の可能性が示唆された。