著者らは麹菌ヘミセルラーゼの研究を醤油の醸造工程における着色抑制とろ過率の向上を目的として行なっている。既に, 麹菌α-L-アラビノフラノシダーゼが原料に含まれるアラビノキシランからキシロースやアラビノースを遊離させる鍵酵素であることを明らかにしている。今回は, 直鎖アラビナンからアラビノビオースを生産する酵素を見いだしているので, 解説していただいた。得られるアラビノオリゴ糖は保湿剤, ビフィズス菌の増殖作用, 血糖値上昇抑制作用などの機能性素材として応用が将来期待される。