ビール工場環境および回収容器等からビール混濁性を示す乳酸菌株をスクリーニングした。その結果, これまで混濁菌種と考えていた L. brevis, L. liudueri , L. paracollinoides ならびに P. damnosus 以外に, P. iuopiuayus およびL.backiが分離されてきた。これらの分離株からは, horA あるいは horC の少なくとも一つの判定マーカーが検出され, ホップ耐性遺伝子を指標としたビール混濁性調査法の有用性が示された。さらに, これらの菌種に属す混濁菌株について勿岨および horC ホモログならびにその周辺領域の塩基配列解析を行った結果, これまで見出されてきた当該領域と極めて高い相同性を示した。このため, P. inopinatus 渉usおよび L. backi が horA および horC 遺伝子を水平伝播により獲得したと推察した。以上のことから, 未知の混濁乳酸菌種を含めた網羅的ビール工場環境調査を行うためには, horA および horC 遺伝子を判定マーカーとした評価法が有用であると判断した。