筆者は, 麹菌ゲノム情報を利用して醤油の色や濾過特性に関与する酸素を高生産, もしくは生産しない麹菌を多数育種し, それらの育種株を用いた醤油の試験仕込みを行っている。得られた麹や醤油の成分分析から, 個々の遺伝子の醤油醸造での働きを明快に評価できることを示している。一読することにより, 今後の新しい分子育種の方向性もみえてくる。