昭和初期の清酒製造技術を当時の教本から紹介されるとともに造りを再現され, 最近の清酒に良くみられる硫黄系の不快な老香や「ごくみ」の喪失が, 清酒本来持っている抗酸化性物質を多量の活性炭使用により除去してしまうことに起因するという新しい考え方を提案された。また,「ごくみ」こそ, 麹を原料とする日本酒特有の風味であり, それを豊かにすることが需要促進のキーポイントであると提唱されており, 精読を期待したい。