フレッシュでフルーティーな香味を特徴とする生酒は, 残存する酵素の作用等による品質劣化という貯蔵, 流通上の課題を抱えている。本稿では, 高額な限外ろ過装置等の導入が困難な中小製造場でも簡単に実施可能なイソアミルアルコールオキシダーゼ活性を含まない酵素剤を用いた清酒醸造により, 生酒貯蔵中のムレ香 (主にイソバレルアルデヒド由来) の生成を抑制し, 長期間にわたり生酒の品質を保持できる製造技術について概説していただいた。