酒類をとりまく厳しい環境変化の中で日本酒の需要は低迷を続けている。 昨年改正の酒税法で, 清酒は米を原料とした醸造酒と位置づけられた (日本酒の理念) が, 製造の自由度は広がったともいえる。筆者は技術者の良心として日本酒文化の長い伝統と伝承の酒造り技術をまもり, 日本酒の理念を崩すことのないよう, 製造技術者の慎重な対応を願っている。そして, 業界が消費者のニーズにあった製品への検討, たゆまぬ拡販努力をすることを希求している。前稿「これからの日本酒を思う (醸協102巻第10号)」とあわせて熟読されたい。