1.芋焼酎中のジアセチル及び酢酸濃度は, その他穀類焼酎に比べ高い傾向にあり, 醪中の乳酸菌が関与していると推察された。 2-焼酎醪中には腐造に至らないまでも乳酸菌が存在しており, 特に芋焼酎醪で多く検出された 3.焼酎醪より63株の乳酸菌を分離した。そのうち59株が Lactobacillus 属, 4株が Pediooooeus 属であった。また, 30株が L.pamoasei と相同性が高いことが認められた。 4.焼酎醪から最も多く分離された五.ヵam6aseiはジアセチル生産性が高く, その他, L.Plantarum/ pentosus, P.acidilactici, P.pentosaceus においてジアセチルが確認された。ジアセチルの生成量は, ブドウ糖のみを炭素源とした培地よりもクエン酸を添加した培地で多かった。 5.焼酎醪から最も多く分離されたL. Pamoasei はクエン酸資化性が高く, その他 L.breois, L. plantarum/peutosus, Pacidilactici においても資化性が確認された。乳酸発酵前後の有機酸濃度から, クエン酸が資化されると主に酢酸が生成した。 6.クエン酸が豊富な焼酎醪ではジアセチル生産性、クエン酸資化性乳酸菌が多く存在しており、焼酎中のジアセチル及び酢酸濃度に影響していることが示唆された。