我々はマウスの慢性アルコール性肝障害モデルを用い, 血漿のGPT活性, 血漿・肝臓のTG値を測定して清酒濃縮物 (CS) 及び清酒特異的な糖の1つであるα-エチルグルコシド (α-EG) の肝保護作用を調べた。雄性C57/BL6マウスにLiber-Decalliのアルコール飼料またはコントロール飼料を4週間投与し, この間, CS (3m1/kg体重) またはα-EG (200mg/kg体重) を週5回, 経口投与した。この結果, アルコール摂取で誘導される血漿GPT活性及び血漿・肝臓TG値の上昇がCSまたはα-EGによって抑制されており, CSとα-EGが慢性アルコール性肝障害を抑制することが示唆された。以上より, 清酒にアルコールによる肝障害を軽減する成分が含まれることが推定される。