実地醸造の機械麹を用い, 真空乾燥法により水分含量を変えた乾燥麹 (水分含量19.7%, 10.7%及び7.6%) をつくり, 包装形態を変え, 過酷な条件下 (相対湿度95%, 温度30℃及び15℃) で長期間貯蔵 (12ヵ月) し, その間の乾燥麹の品質について検討を行った。 その結果, 貯蔵中の水分含量, 酸度, 色度, 酵素活性及び細菌数から見て, 市場で流通している米袋 (ボリエチレン製) 程度の材質を使い, かつ, 乾燥麹の水分含量10%以下に乾燥すれば, 貯蔵温度15℃ で12ヵ月間, 30℃ で6ヵ月間貯蔵を行っても, 品質的に問題はなく酒造用麹として使用できるものと推定される。 本研究は, 昭和59, 60年度日本農芸化学大会で発表した。 終りに臨み, 本研究に終始ご指導を賜りました弊社常務取締役総合研究所長布川弥太郎博士に, 深く感謝致します。