裸麦糖化液と米麹を原料としたろ液発酵による酒類醸造において, 香気成分の生成について検討し, 以下の結果が得られた。 1. 糖化時に, プロテアーゼを主体とした酵素剤XP-415を添加して, アミノ酸量をコントロールしたろ液を発酵することにより, i -AmOAcが無添加仕込みの約9倍量生成することが認められた。 糖化液のアミノ酸量との関係については, アミノ酸量4.59/ l まではアミノ酸量が多い程 i -AmOAc生成量も多くなり, アミノ酸量4.5g/1で最大値を示し,それ以上では減少した。 2. 白米(アケボノ)と裸麦を原料とし,XP-415を同量添加して比較すると, 麦仕込みは白米仕込みの約3.5倍量の i -AmOAcを生成した。 以上 i -AmOH生成量が最大となるように糖化液のロイシン濃度をコントロールすることによって i -AmOAc 含量が高く, 香味のすぐれた酒類を製造することができた。