真性火落菌 (L.heterohiochii H1, L.homohiochiiS33), 火落性乳酸菌 (ヘテロ発酵型H34, ホモ発酵型R13), 一般乳酸菌 (L.brevisNRIC1031, L.saleeNRIC1070) の形状と表面構造に及ぼすエタノールの影響について検討し, 次の結果を得た。 1) 細胞の長さに関しては, エタノール無添加区に比較して高エタノール濃度区では真性火落菌は約2倍, 火落性乳酸菌ヘテロ発酵型H34は約6倍, ホモ発酵型R13は約4倍, 一般乳酸菌L.brevi5は約4倍, L.sakeは約8倍ほど伸長化した。なお, 真性火落菌はエタノールの有無にかかわらず細胞の長さが不均一であったが, 火落性乳酸菌及び一般乳酸菌はエタノール添加区においてのみ長さが不均一であった。 2) 菌幅に関しては, 真性火落菌ホモ発酵型S33ではエタノール無添加区において菌株間で菌幅に大きな差異があった。火落性乳酸菌及び一般乳酸菌ではエタノールの有無にかかわらず菌幅は一定であった。 3) 表面構造に関しては, 真性火落菌, 火落性乳酸菌, 一般乳酸菌ともにエタノールの有無にかかわらず平滑であった。 4) 形態に関しては, エタノール添加区に培養した火落性乳酸菌ヘテロ発酵型H34においてのみ, 旋転を有した細胞が存在した。