含塩及び無塩下に培養した耐塩性酵母 Zygosaccharomyces roecxii, Candida versatilis , 対照酵母 Saccharomyces salee を光学顕微鏡と走査電子顕微鏡で観察し, 酵母の形態と耐塩性の関連を検討し, 次の結果を得た。 1) Zygosacch. rouxii は無塩培養で球形, 含塩下培養で卵形を, C. versatilis は無塩培養で多形性, 含塩下培養で卵形を, Sacch. salee は無塩・含塩下培養ともに卵形を呈した。耐塩性酵母はいずれも含塩下で小形化したが, 逆に対照酵母は大形化した。 無塩, 含塩下に培養した耐塩性酵母, 対照酵母の表面構造に差異はなく平滑であった。 2) 含塩下培養で Zygosacch. rouxii の細胞壁キチンは出芽痕のみに存在したが, 無塩培養では出芽痕のほか細胞表層の全面にも存在した。