製麹機の機種や出麹の在室時間を変えて, 出麹の酵素活性を変え, また, 一部乾燥麹を調製し, 麹醪の固液部, 製成酒及び酒粕中の尿素の生成量について検討した。 その結果, 出麹の尿素量は在室時間が長くなると共に増加するが, 通常の仕込みに使用されている出麹よりも長い在室時間をとると, 減少する傾向が認められる。また, 麹の酵素活性の高いほど, 出麹の尿素量が多かった。 醪の固液部の尿素量は, 酵素活性の高い出麹ほど, 醪物料の溶解度及び尿素生成量も高く, 醪の経過日数と共に液部の比率が高まる傾向にある。 醪末期では, 尿素量は液部に70%前後, 固形部に30%前後であり, 麹の酵素活性の高いほど生成量は多い。乾燥麹にすると尿素生成量が若干低くすることができる。 製成酒及び酒粕中の尿素量も, 醪末期のそれらと同様な傾向であり, 製成酒で65%前後, 酒粕で35%は前後となり, 特に, 酒粕に移行しやすい傾向はなかった。