1. 福井県大野市の農家41戸において栽培されたおくほまれ, 五百万石を用いて栽培農家間における差異の原因について土壌の特性と施肥条件から検討した。 2. 土壌の影響について, 相関分析, 因子分析を試みた結果, 土壌の物理性, 化学性, 施肥条件の項目が原料米の酒造特性と有意な相関を示すことが明らかとなり, 栽培農家間における酒米特性の差異がこれらに起因することが示唆された。 3. 因子得点をプロットすることにより, 土壌タイプと原料米酒造特性の関係を解析したところ, 消化性 (FN), 白米粗タンパク含量が少なく, 心白率が多く, 千粒重, 長さ, 幅が大きいという酒米として最適の特徴を有していたのは, 黒ボクレキ質田で栽培された米であった。