1 醸造適性に関するほとんどの分析値を正規分布とみなして統計的に扱うことが可能である。 2 日本晴, 五百万石及び山田錦についてAMeDASの気象データと醸造適性の関係を解析した結果, 千粒重及び消化性に関して気象条件との間に一定の関係があり, 気象条件が酒造原料米の醸造適性に影響を及ぼしていることが認められた。特に出穂期以降の最高気温が高いほど消化性が低下するという興味深い傾向が認められた。 32の結果に基づいて消化性と気象条件に関する重回帰分析を行った結果, 消化性 (直糖) 及び消化性 (フォルモール窒素) の変動の約50%が気象データによって説明され, 原料米のおおまかな醸造適性予測には役に立ちそうであるが, 栽培地域が広い範囲にわたる日本晴については寄与率が低かった。