カルバミド生産能の低い清酒酵母を育種することを目的として, COOPERの方法に準じて清酒酵母からメチルアミン耐性突然変異株の取得を試み, 次の結果を得た。 (1) K-701から自然誘発あるいは紫外線照射によってメチルアミン耐性突然変異株を分離した。60株の変異株について1段仕込み (総米100g) 試験を行いカルバミド生産能を調べた結果, カルバミド生産能が親株に比べ1/3~1/2と低い株を数株見い出した。 (2) 総米1kgの小仕込試験を行った結果, 突然変異株MR-99は発酵が若干遅れたが, カルバミド生産能は親株の約1/3であり, リンゴ酸の生成量が多く, 製成酒のE/A比が高く, 官能評価の結果も良好であった。 (3) MR-99とK-701では, 培養実験において培地中のアンモニアとカルバミドの取り込みパターンに差が認められ, MR-99はNitrogea Catabolite Repressionの鋼御から脱抑制されることが示唆された。