醤油の食塩濃度が低下して殺菌力が弱くなると, 醤油酵母以外で, よく生育する耐塩性乳酸菌が発見されている。その中にはアスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸から脱炭酸し, 酸敗・容器膨張・発泡などの事故をひき起こすことがある。今回分離した乳酸菌の菌学的諸性質を明らかにし, 製造工程における事故防除対策まで検討を加えている極めて貴重な論説である。