ヒトのゲノムの全塩基配列決定計画が全世界規模で進行している。醸造の分野で活躍している酵母についても何本かの染色体については同様のプロジェクトが進行しているという。これらの元になる地図の第10版が4年ぶりに最近発表された。この4年の間に, 染色体を電気泳動で分離する技術が開発されたこと, また数多くの遺伝子がクローニングされたことから, 掲載遺伝子数は569から769に増加し, 染色体数は17本ではなく16本とされている等, より正確にまた詳細な地図となっている。清酒やビールの醸造特性を担う酵母を理解するために, この遺伝子地図が, これからますます重要となろう。