固形物を除去した芋及び麦焼酎蒸留廃液を嫌気性流動床法により主として53℃ で処理した。得られた結果を以下に要約する。 1. 芋焼酎蒸留廃液: 付着用担体としてクリストバライトを20w/v%充填した流動床型リアクターを用いることにより, 約2週間の短期間でTOC容積負荷を12g/l・dまで上げることができた。また, 最大TOC容積負荷は20g/l・dであり (TOC除去率83%), この時の平均滞留時間は0.9日となり, 高速度で処理することができた。 2. 麦焼酎蒸留廃液の嫌気性処理: 無希釈廃液では嫌気性処理が困難であったが5倍希釈することにより最大TOC容積負荷10g/l・dを達成することができた。この時のTOC除去率は80%であり, 残存する有機酸成分は主としてプロピオン酸であった。しかし, 3倍希釈廃水ではは最大TOC容積負荷は6g/l・dに低下し, また5倍希釈廃水においても37QCで処理すると, 最大TOC容積負荷は5g/l・dに低下した。 3. 嫌気性処理の性能を評価するため好気性処理との比較を行った。嫌気性処理は, 好気性処理に比ベリアクター容積, 希釈水量消費電力及び余剰汚泥発生量ともにそれぞれ約1/3となり, 全ての面で優れていることがわかった。 終わりにあたり, 本研究に協力された卒論学生有薗泰彦, 丸山誠二両君に謝辞を述べます。