糸状菌の代表的菌外酵素であるアミラーゼおよびプロテアービを例として薪たな酵素固定化法を開発した。培地を吸収させた不織布に糸状菌を気相中で生育させることにより, 菌体と菌体外酵素とを容易に固定化することができた。繊維中に-NH2基や-COOH基を含む不織布が担体として優れており, 特にアクリルの-CN基を-COOH基に置換した繊維を50%含むアクリル製不織布A6を使用した場合に最も高いアミラーゼ活性が得られた。 本固定化アミラーゼを用いてデンプンの繰り返し加水分解反応を行ったところ, 反応中に固定化菌体が増殖したことと雑菌汚染のために7回程度の繰り返しで固定化アミラーゼ活性が低下した。そこで, 反応液のDO濃度を180ppmに保ち, 固定化菌体の増殖を抑制し雑菌汚染を防止することにより, アミラーゼ活性の安定性を向上させ, 40回以上, 延べ反応時間1,000時間以上にわたる長期繰り返し反応を行うことができた。さらに, 本固定化法では, アミラーゼと同時に菌体外に生産されたプロテアーゼも固定化できることを見い出した。 終わりに臨み, 不織布を提供していただき, 終始有意義な御助言, 御助力を賜わりました日本バイジーン株式会社東京研究所研究員の方々に深謝致します。