大阪国税局主催吟醸酒研究会で, 吟醸酒製造に使用した原料米を収集したところ, 玄米161場163点, 白米177場179点が回収された。白米の回収率は全出品場数226場の8割に該当し, この内9割が兵庫県産山田錦であった。 自家精米と委託精米とでは無効精米歩合, 精米損失等に有意な差が認められ, 精米機の運転方法によるものと推定された。 審査成績と相関関係があったのは真精米歩合, 白米蛋白量及び重量分布の偏差等であり, 重回帰分析を行ったところ, 審査成績は全品種については真精米歩合及び白米蛋白量, 山田錦については真精米歩合及び白米重量分布の偏差の2項目の説明変数により推定され, その寄与率は各々17%, 11%であった。原料米の重要性を示唆するものと考えられた。 山田錦に関して言えば, 中心重の大きな米を小さなみかけ精米速度で搗精すると精米損失は減少する傾向が得られた。 精米機の型式により精米損失等に有意な差が認められた。 終わりに, 本研究にあたって試料を快く提供いただきました管内酒造場に対し深謝致します。