水蒸気による白米調湿について検討した結果以下のことが明らかとなった。水分供給源は高吸水性ポリマー (以下, ポリマーという) を使用した。 1. 高湿度空気中に静置した白米層では, 調湿されるのは米層の外側5cm程度の層のみであり, 厚さ方向に水分のばらつきが著しかった。 2. 通風により水分は, ポリマーから白米へ移動した。移動速度は操作時間中, ほぼ一定であった。 3. 調湿中の白米水分の分布は, ポリマーの隣の画分で最も高く, 離れるに従い次第に減少した。水分分布のアンバランスは, ポリマーが水分を使い果たした後, さらに通風を続けると解消した。 4. ポリマーの位置を複数に分割すると, 調湿時間の短縮が可能となった。 5. ポリマーの使用量を加減することにより, 白米の最終到達水分を調整することが可能であった。 6. この方法は, 装置が簡単で保守管理が容易なため実用上有望であると思われる。 終わりに, 試料の白米を提供頂いた (株) 本田商店に深謝します。