完全に嫌気的な条件下での酵母の生育には, 不飽和脂肪酸とエルゴステロールが必要であることが知られている。また, 酸素はミトコンドリアの形成と呼吸能を誘導することから, 清酒醸造においても酵母の増殖や生成酒の品質に大きな影響を与えているものと考えられている。ここでは, 高感度のセンサーを用いて醪中の溶存酸素濃度を測定することによって, 溶存酸素が発酵に与える影響を定量的に考察した研究について解説していただいた。